○×の2択が日程調整を壊す理由と、△の正しい使い方
「参加できる日に○を付けてください」——この聞き方をすると、本当は成立したはずの日程が消えます。原因は参加者の非協力ではなく、選択肢が2つしかないことです。△(調整すれば参加できる)を1つ足すだけで、日程が決まる確率は目に見えて変わります。
○×だけだと、成立する日程が消える
5人の飲み会で、3つの候補日を○×の2択で聞いたとします。結果はこうなりました。
| 10/9(木) | 10/10(金) | 10/13(月) | |
|---|---|---|---|
| みさき | ○ | ○ | × |
| けんた | × | ○ | × |
| ゆう | × | × | ○ |
| さやか | ○ | × | × |
| たくみ | × | ○ | × |
最多は10/10の3人。5人中3人では踏み切りづらく、「今回は見送ろうか」という空気になります。ところが同じ5人に、△を含む3択で聞き直すと結果が変わります。
| 10/9(木) | 10/10(金) | 10/13(月) | |
|---|---|---|---|
| みさき | ○ | ○ | × |
| けんた | △ | ○ | × |
| ゆう | × | △ | ○ |
| さやか | ○ | △ | × |
| たくみ | △ | ○ | × |
10/10は○が3人、△が2人で、全員が参加できる可能性のある日に変わりました。人が変わったわけでも、予定が変わったわけでもありません。変わったのは選択肢の数だけです。
2択のときに×を付けた「けんた」「ゆう」「さやか」は、嘘をついていたわけではありません。「確実に行けるとは言えない」という状態を表す選択肢がなかったので、安全側の×を選んだだけです。
なぜ人は「×」に倒れるのか
2択で聞かれたとき、多くの人は次のように考えます。
- ○にして行けなかったときのほうが、迷惑が大きい:人数を数えて店を予約する集まりでは、直前のキャンセルは幹事に実害を出します。だから「たぶん行ける」を○にするのはためらわれます
- 予定が「入るかもしれない」段階では答えようがない:仕事の締切、家族の予定、まだ確定していない別の約束。確率50%の予定を○と×のどちらに入れるかは、本人にも決められません
- ×のほうが説明を求められない:○にして後から辞退するには理由が要りますが、最初から×なら何も聞かれません。摩擦の少ない選択肢に流れます
つまり×は「行けない」ではなく、多くの場合「約束したくない」という意味です。この2つを区別できるようにするのが△の役割です。
△の意味は、幹事が定義して伝える
ここがいちばん重要です。△を用意しただけでは足りません。△が何を意味するかは、人によってまったく違うからです。実際、同じ△に次のような意味が混ざります。
- 「調整すれば行ける」(=ほぼ行ける)
- 「まだ分からない」(=五分五分)
- 「行きたくはないが、断りづらいので×にしなかった」(=ほぼ行かない)
この3つが混ざったまま集計すると、△が3人いる日を選んだのに当日は誰も来ない、ということが起きます。防ぐ方法は簡単で、招待メッセージに△の定義を一行書くことです。
△は「予定を動かせば参加できる」でお願いします。 現時点で分からない場合も△で大丈夫です。 確定した時点で回答を変更してください。
「分からない場合も△でよい」と明示するのがポイントです。これがないと、判断できない人は回答そのものを保留し、無回答のまま締切を迎えます。無回答は、△より遥かに扱いづらい——幹事にとっては、これが最悪の状態です。
あわせて「回答は後から変更できる」ことも伝えてください。変更できると分かっていれば、人は現時点の判断で答えてくれます。変更できないと思われた瞬間、回答は先送りされます。
△をどう集計するか
○を1点、△を0.5点、×を0点として合計するのが基本です。ただし、機械的に点数がいちばん高い日を選ぶと失敗することがあります。次の2つを併せて見てください。
キーパーソンが×の日は、点数が高くても外す
主賓、幹事、店を押さえる担当、その人がいないと話が進まない人。この人たちが×の日は、合計点が最高でも成立しません。集計の前に「この人が来られない日は選べない」というメンバーを決めておくと、判断が速くなります。
×の数を先に見る
○5人・×3人の日と、○4人・△4人・×0人の日なら、後者を選びます。×は覆りませんが、△は当日までに○へ変わる可能性があるからです。×が最も少ない日を優先し、その中で○が多い日を選ぶ——この順序で見ると、実際の参加人数が最大になりやすくなります。
日程ポンでは、回答が届くたびに○・△・×がその場で集計され、一覧表で確認できます。誰がどの日に△を付けたかが分かるので、「この人に一声かければ確定できる」という判断がしやすくなります。
△が多い日を選ぶときにやること
△が多い日に決めた場合、確定を伝えて終わりにしないでください。△の人は「まだ調整していない」状態です。確定連絡のときに、次の一手を入れます。
10/10(金)19:00〜 で確定しました。 △で回答してくれた けんたさん・ゆうさん・さやかさん、 調整できそうかだけ、10/6(月)までに教えてください。 難しければ遠慮なく言ってください。人数を調整します。
ここで「難しければ遠慮なく」と書いておくのが効きます。△の人が最も避けたいのは、「行けると思われていたのに行けなかった」という状況です。降りる余地を先に用意しておくと、かえって正直な返事が早く返ってきます。
店の予約人数を確定させる必要がある集まりでは、△の人数の半分を見込んで押さえ、確定連絡の返事を見て増減するのが現実的です。
△の使い方でよくある失敗
- 選択肢を4つ以上に増やす:「◎・○・△・×」のように段階を増やすと、◎と○の違いで参加者が迷い、回答が遅くなります。3段階が、判断のしやすさと情報量のちょうど良い折り合いです
- 幹事自身が全部△にする:幹事の予定が分からないと、参加者は日程の見当を付けられません。幹事は最初に○と×をはっきり出します
- △の人に個別で理由を問い詰める:△は「言いづらい事情がある」ことも含みます。理由ではなく「調整できそうか」だけを聞きます
- △を○として人数に数える:予約人数を△込みの最大人数で取ると、当日の空席と支払いの調整が発生します。見込みは控えめに置きます